私はもともと不動産業者として不動産の売買仲介もお手伝いさせていただいていたのですが、やはり何度か、かなりの迫力のある方々にお目にかかる羽目になったことがあります。
いわゆる不動産ブローカーと言われる方だと思うのですが、待ち合わせは事務所ビルとかではなく、決まってなぜか喫茶室ルノ〇ールさん。浅黒く日焼けした顔に金歯がキラリ。不動産の売り物があるとの話で呼ばれていったのですが、後でよくよく調べてみると、まだ売り物でもなく、銀行さんの損切交渉から始めますといったことだった。
世の中は、本当でない話でも本当になることもあります。資金がなくても、資金があるといっていればそこにお金が集まって、話が本当になったり。売り物でない不動産も、ブローカーさんが売りますと言って、買いたい人を見つければ、所有者に買主がいるんですけど、売りませんかなーんて。それで、結果的に話がまとまってみんなハッピーなんてことも。もちろん、それって、許すべき行為ではありませんが、そういった「騙し」は、不動産にはとても多いのなんでかな。
憧れのマイホーム一つ買うにしても、欠陥住宅を売りつける業者が後を絶たない。「騙し」「騙される」不動産特有の取引の危険性が怖いですね。
なんで、不動産って「騙す」人が集まってくるんでしょう。それは、ひとえに不動産の価格が大きいからですね。1,000円、10,000円を騙し取って捕まっても割に合わないけど、1,000万円、1億円を騙し取って、ひょっとして捕まらないとしたらと考えると、リスクとリターンが見合っちゃうと考える悪い方がいてもおかしくはないですよね。そして、一般に不動産の取引に縁がなく、知識の乏しい人を騙すのは、彼らからするとたやすいことなのかもしれません。
普段、不動産に縁のない方々を、そんな人たちから守ることは、私たちの責務でもあります。また、私たちを頼ってくださる方々のために、私たちの経験や知識が少しでもお役に立てれば、うれしいですね。