自分のものであっても、自由にならないことなど、世の中にはたくさんありますが、相続においても、遺産をたとえ遺言を残しても、思い通りにはならないケースがあるのをご存知ですか。それが、公正証書遺言であってもです。
相続には「遺留分」という考え方があって、法定相続人にはお父さんがいくら長男に全部相続させたくても、嫁いだ長女にも遺産の最低保証をしてあげますよというものです。長男ならまだしも、愛人100%なんて遺言があっても、長女は法定相続分の1/2は保証されているのです。
知ってましたか?知らない人も多いですよね。
お父さんの立場に立って考えると、自分の財産を誰に残そうと勝手だと思いますが、そうはいかないのです。これって、お父さんが持っているものには、必ず長女のものが含まれているってことで、ちょっと不思議な感覚ですね。まぁ、そうとて、お父さんが生きてるうちは全部使いきるのは自由だけど、生きてるうちに残した遺言では自由にならない。生きてるうちが花なのよ、死んだらそれまでよってことです。
しかしながら、もちろん、遺言が無意味ではありません。その最低保証たる遺留分以外は思い通りにできます。また、2019年7月1日以後は、相続法の改正により遺留分はお金でのみ認められることになりましたので、不動産の持分での共有なんて厄介なことはありません。